❰PDF / Epub❯ ☆ くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4) Author Elizabeth Moon; Fusa Obi – Liversite.co.uk Amazing Book, くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3 4) by Elizabeth Moon; Fusa Obi This is the best favorite book with over 921 readers online here. Amazing Book, くらやみの速さはどれくらい ハヤカワ文庫 SF ム by Elizabeth Moon; Fusa Obi This is the best favorite book with over readers online here.
- くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)
- Elizabeth Moon; Fusa Obi
- Japonais
- 02 December 2016 Elizabeth Moon; Fusa Obi
21世紀の”アルジャーノンに花束を”だといううたい文句につられて買ったのだけど、(若かりし頃、感動したので)アルジャーノンを意識しないで読んだ方がいいと思う。 アルジャーノンは結局ロマンスだと思うのだけど、こちらはちょっと違う。 ともかく主人公ルウのユニークな思考がおもしろかった。ルウは自閉症がある、ないに関わらず、とても才能のある人間なんだと思う。まあ、ハッピーエンドなのだろうけど、終わりがあっさりしていて不満を持つ人はいるかも。私ももっと別のことを期待していたし。 ともかくあまり偏見を持たないで読むと楽しめるよ。
自分は『21世紀版、アルジャーノンに花束を』という帯を見て買ってしまったクチですが、個人的にはだいぶ方向性の違う作品だと思いました。まぁ、ハンディがある人を治療して健常者にするって部分は同じですが。
アルジャーノンの時の様な感動とかショックはありませんでした。というか、比べるのが間違っている。
おそらく、作者自身に自閉症の息子がいる事と関係があるのだと思いますが、作者の願望というか「こうであってほしい」といった結末が主体になってしまっている様な。ラストが物足りないというか、予想できて残念というか…。
完全なハッピーエンドにはなってはいませんが、ラストで周辺を固める脇役をもっと丁寧に書いてほしかった。ラストに深みがない。
物語中のトラブルも意外とあっさり片が付いてしまったりする部分も、ちょっと拍子抜けです。
と、キツイ感想を書きましたが、もちろんそれを補って余りある良い部分があります。
自閉症とはどういったモノか?患者の心の動きや考え方、知覚などは実に興味深く驚くものでした。健常者の善意と悪意…それを区別することが難しく戸惑う部分など、なんともやるせない気分にさせられます。
自閉症者の想像する健常者。健常者(ノーマル)は、自閉症者と違い間違いは犯さないといった「健常者による教育」による思い込み。教育された事(パターン)にしたがって判断し行動する、それが健常者には感情による行動に見えたり。かといって彼らには彼らなりの感情があったり。
はたして健常者になることが幸せを掴むことなのか?等、いろいろと考えさせられました。
自閉症というものに無知であったので読んで良かったと思います。
問題提起といった意味ではアルジャーノンより上でしょう。
21世紀の「アルジャーノンに花束を」と評価されている本です。近未来SFであり、様々なことを考えさせる本です。でも、けっして難しい本ではなく、主人公がとてもよく描かれていて、だからこそ、主人公の幸せについて考えてしまうという感じです。私は、本に出てくるトムと同じような立ち位置です。でも、それは、結局、都会で便利に快適に暮らしている人間が、田舎はこのままであってほしいと思うのと同じかもしれません。古い木造の集落を見て、いいなあと思い、その木造の集落が、マンションになってしまったら、以前の方がいいと思うんだけど、自分はマンションに暮らしている人間の身勝手なのかもしれません。なんだ、それって思うかもしれませんが、それと同じようなことを感じました。なんだかあいまいだなと思う方は、是非一読して頂けると、わかってもらえると思います。
読み終わった時の感動は、今でも忘れられません。
物語の前半、主人公と共に葛藤していたつもりになっていた自分が、置いて行かれる瞬間があったのですが
それを踏まえた上での後半の展開は、本当に生涯で一番深い感動を与えてもらうものでした。
最後の結末を、不満に思う人もいるだろうと思います。
けれども、主人公は不幸になったのだろうか、と考えると、私は何も言えなくなるのです。
得たものと、失ったもの、どちらにより価値があると、誰が決められるでしょう。
今もこの本のことを考えると、色々なことが頭に浮かびます。
とても面白い本でした。
読む年齢によっても感想がかわりそうなので、人生の節目節目に読み返したい一冊です。
「アルジャーノンに花束を」と同時に読みました。
本作はとても論理的で緻密で、「アルジャーノン…」のように
ある意味救いようのない破滅的で悲劇的な結末へは向かいません。
好みの問題でしょうが、私はこの本の方がより知的好奇心を
満たしてくれました、なによりハッピーエンドなのが最高です。
しかし、これもSFなのかな?
神様、私に読書の楽しみを与えてくださって感謝いたします。
この傑作を読み終え、私はこの感動を誰かと共有したくて仕方がない。
物語の後半、主人公ルウの勇気ある決断にいたる過程と
その後の経過を綴る美しい文章を、溢れ出る涙をすすりながら、
読み終えることを惜しみつつ読み続けた。
万華鏡のように見る方向によって色々な感じ方のできる稀有な名作。
ビルディング・ロマンとしても、恋愛小説としても読むことができる。
そのため、結末は、人により色々な受け取り方ができることだろう。
切ない結末なのに、希望に満ち溢れる彼の姿は、
言葉で言い表せない感情を私の中に湧き上がらせる。
これは、彼の話であるが、私の話でもある。
決して、特殊な話ではないのである。
他人とコミュニケーションを取るのが苦手な人の、
伝えたいことがあるのに上手く相手に伝えられないあなたと私の物語。
自分にちょっと以後心地の悪い人は、彼の話に耳を傾けると良いだろう。
記憶は、万人に公平に与えられた宝物なのかもしれない。
しかし、それは、パンドラの箱でもあるのかもしれない。
21世紀版「アルジャーノンに花束を」と称されるように、自閉症患者が新しい治療法によって健常者=ノーマルへの道を選ぶ過程を描写した物語であります。
主人公のまわりには、自閉症としての彼を理解する人とそうでない人がいて、彼を受け入れる社会とそうでない社会、自閉症者と健常者、自閉症は克服すべき試練として神から与えられたものという解釈とと、であればそれを治療することは神に背くことではないかという解釈、神はそもそも自閉症という重荷を背負わせるはずが無く、治療によって本来の姿を取り戻すべきである、といういずれも相反する考え方をもとに話が組み立てられています。
「アルジャーノン〜」の場合は、イノセントな世界にいることができた自分が健常者となることで「現実社会」における“知らなくても良かった”苦労を背負い込む様が描かれましたが、本書では少し観点が異なり、“なぜ治療しなくてはいけないのか”という主人公の悩みを中心に話が進んでゆくわけですね。
「暗闇は光が無いところのものです。光がまだそこに来ていませんから。暗闇はもっと早いかもしれない」。
健常者であることが光で、自閉症者であることが暗闇なのか、もしくはその逆なのか。
多くの人は後者という捉え方をするかと思いますが、こればかりはわからない、と思います。
大江 健三郎の作品には脳に発達障害がある若者が描かれる事がありますがその場合、その若者は物語の後半で超人的な力を発揮するか超人その物になるようなストーリーが多かったかと思います。
余談ですが「個人的な体験」では主人公がその歩く姿勢が鳥が枝にとまっている姿に似ていると言う理由でバードと呼ばれているくだりがあり私も密かにその姿勢を研究しました。
本作品も大江作品に似た流れですが作中の人物がそれを欠点と考えている物は実はとてつもない強みでありその強みに気がつきストーリー後半からその力を有効に活用しようとする描写は読んでいてゾクゾクする魅力があります。自閉症者が優れたパターン認識を示すと言う話は『マーキュリー・ライジング』と言う映画にもありましたが自閉症者が聡明で知的に優れている事が多い事は良く知られた事です。ネットの世界だけで生計を立てる道が開かれた現代では自閉症はもはや働く上では障害者では無く単に優れた変わり者と言えるかも知れません。
作者エリザベスムーンの魅力は貨物船ゲイリー・トバイに乗った少女の話の方が100倍面白いので星4つにとどめました。
古本にしてはとても綺麗に読まれていたのだと思い、私も大切に読みたいですね。 愛され本だと思います。